特別講演
| 講演名 | ハイパースペクトル技術とは何か |
| 講演者 | ハイパースペクトル応用学会理事長 佐鳥新 |
| 概要 | ハイパースペクトルとは2次元の画像の各ピクセルに分光情報を含んだスペクトルデータを扱う技術の総称である。この技術の発祥は衛星リモートセンシングではありますが、その応用可能性はむしろリモートセンシング以外の分野の方が大きいといえる。以上の観点から、リモートセンシングや宇宙工学とは別の新たな学問分野として「ハイパースペクトル応用学会」を設立した。講演では分野横断的に応用事例を紹介する。 |
一般講演
◇医療・バイオ分野◇
| プログラム番号 | A-1 |
| 題目 | ハイパースペクトルイメージングによる増殖細菌の肉眼レベルの可視化 |
| 講演者 | ◇高良洋平:1 上野宗一郎:2 竹内佑介:3 佐鳥新:4 |
| 所属 | 1:東京大学 2:個人研究者 3:北海道衛星株式会社 4:北海道工業大学 |
| 概要 | 黄色ブドウ球菌は環境中に広汎に存在し食中毒を始め様々な病態の原因菌となる。本研究では、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現する黄色ブドウ球菌(GFP-SA)を作製し、ハイパースペクトルカメラ(HSC1700)を用いて、食品(弁当)上で増殖する黄色ブドウ球菌の空間分布の可視化を試みた。肉眼・通常撮影では一部を除き菌の認識は困難であったが、ハイパースペクトル画像から得られる波長特性分析と画像処理により、経時的に増殖するGFP-SAの分布を描出することができた。ハイパースペクトル技術により細菌動態の肉眼レベルでモニタリングが可能となる。 |
| 講演資料 | PDFファイル |
| プログラム番号 | A-2 |
| 題目 | 胃癌検出をサポートする内視鏡システムの開発—ハイパースペクトル技術の応用 |
| 講演者 | 西川 潤:1 清時 秀:1 浜辺功一:1 齋藤真理:1 岡本健志:1 坂井田功:1 浜本義彦:2 米田晴彦:2 藤田悠介:2 竹内佑介:3 佐鳥新:3 |
| 所属 | 1:山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学 2:山口大学大学院医学系研究科応用分子生命科学系専攻 3:北海道工業大学 |
| 概要 | 【目的】胃内視鏡検診での胃癌の見逃しは多く,より癌診断率の高い内視鏡検査が望まれる.我々はハイパースペクトル技術を用い,胃癌の検出をサポートする新しい内視鏡システムの開発を試みている.【方法】ハイパースペクトルカメラHSC1700(EBA JAPAN Co., LTD)を用いて,切除された胃・十二指腸腫瘍16例を撮影し,ピクセルごとに反射スペクトルデータが含まれる画像を得た.それらの画像の腫瘍部と非腫瘍部より,それぞれ任意の10点の反射スペクトルデータを抽出した.症例を8症例ずつ訓練症例とテスト症例に分け,1)まず,訓練症例から識別に有効な波長を同定した.2)次に,識別に有効な波長を用いて,テスト症例における腫瘍と非腫瘍部の正診率を評価した.3)これらの解析結果から胃腫瘍を強調表示できるか検討した.最後に,4)783nmにおける原反射率と微小血管密度(MVD)に有意な相関があるか,相関分析を行った.【成績】1)訓練サンプルにおける波長のFisher比を検討したところ,783nmが最も高い値を示した.この波長を用いて腫瘍,非腫瘍を識別する診断法を確立した.2) この波長を用いた診断法では,テスト症例の腫瘍部・非腫瘍部の識別率は83.1%であった.3)783nmの単波長においてカットオフを設定し,画像処理を行うことで,腫瘍のみを強く際立たせることに成功した.4)783nmとMVDにはp< 0.01で有意な正の相関を認めた.【結論】ハイパースペクトル技術により,胃腫瘍と正常粘膜を識別できる診断法を確立し,腫瘍を強調表示することができた.腫瘍部と非腫瘍部に見られる反射率の差は,MVDが寄与している可能性が示された.また,ハイパースペクトル技術の内視鏡への応用は,胃癌発見率を向上させる可能性が示唆された. |
| 講演資料 | PDFファイル |
| プログラム番号 | A-3 |
| 題目 | ポストゲノム研究における定量的な表現型解析手段としてのハイパースペクトル技術の可能性 |
| 講演者 | ◇松田 修 射場 厚 |
| 所属 | 九州大学大学院 理学研究院 生物科学部門 |
| 概要 | ヒトをはじめ様々なモデル生物の全ゲノム情報が解明された今日において、生物科学の次なる重点課題は、ゲノムの機能性がいかにして表現型の差異を生み出すかを解明する点にある。このためには、表現型を定量的に記録するための新しいセンサ技術が欠かせない。本発表では、発生段階や生育環境に応じた主要代謝物の動態や、突然変異による特定代謝系の異常を検出する手段としてのハイパースペクトル技術の有用性について、モデル植物研究における実践例を交えながら紹介する. |
| 講演資料 | PDFファイル |
◇自動車関連分野◇
| プログラム番号 | B-1 |
| 題目 | HSCによる顔画像から人の状態変化を検出する実験的検討 |
| 講演者 | ◇岩田 裕司:1 清水 隆行:1 竹内 佑介:1 佐鳥 新:2,3 |
| 所属 | 1:㈱アイシン・コスモス研究所 2:北海道衛星㈱ 3:北海道工業大学 |
| 概要 | 近年、人の状態を検出して安全・安心へ誘導する研究開発が進められており、そのセンシングにおいて簡便に計測できる技術が望まれている。我々は、住生活シーンで発生する疲労やストレスなどからくる人の顔色変化(血流変化)に着目し、実験による検討を行った。実験では、屋内での研究開発業務と飲酒を住生活シーンとして設定し、その前後でHSCによる顔画像分光スペクトルの比較を行った。その結果、分光スペクトルに違いが見られたので報告する。 |
| 講演資料 | PDFファイル |
| プログラム番号 | B-2 |
| 題目 | ハイパースペクトルセンサーを用いた走行環境認識の可能性(仮題) |
| 講演者 | ◇船山 竜士 川真田 進也 |
| 所属 | トヨタ自動車㈱ |
| 概要 | クルマが自律的に走行環境を認識して、高度なドライバー支援や安全性向上のための制御を行う研究開発が盛んに行われている。従来から使われているカメラやミリ波レーダーにはない、新しいクルマの眼としてのハイパースペクトルセンサーの可能性を示すとともに、将来に向けての期待を述べる。 |
◇環境計測技術・その他の分野◇
| プログラム番号 | C-1 |
| 題目 | 衛星搭載用ハイパースペクトルセンサの開発状況 |
| 講演者 | 大木 永光 |
| 所属 | (財)資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構 |
| 概要 | 資源、環境監視に期待されている衛星搭載用ハイパースペクトルセンサの開発概要を報告する。目標性能は400nm~970nmのVNIR帯と900nm~2,500nmに185バンドを有し・A空間分解能30m、観測幅30kmである。機器の全体構成、光学系、検出器部の概要およびデータ利用との協力、搭載を想定している衛星の概要、開発スケジュールについて述べる。 |
| 講演資料 | PDFファイル |
| プログラム番号 | C-2 |
| 題目 | ハイパースペクトルカメラによる環境汚染物質の計測 |
| 講演者 | ◇竹内佑介:1 佐鳥新:2 森 繁樹:3 野呂 直樹:4 小松田 忠良:5 |
| 所属 | 1:北海道衛星㈱ 2:北海道工業大学 3:環境を考える会 4:エバ・ジャパン㈱ 5:北海道工業大学大学院 |
| 概要 | 環境汚染物質の一つとしてPCBという物質がある。PCBは、生体に対する毒性が高く、発癌性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。現在、目視によって漏洩等を確認しているが現場の者が直接目視等を行わなければならない。また、漏洩具合を数値化する技術が確立されていない。本来、数値的漏洩度を本研究は、ハイパースペクトル技術によるPCBの数値的可視化を目的としたものである |
| 講演資料 | PDFファイル |