2003年4月に北海道工業大学のメンバーを中心となって道内の有志と共に北海道衛星という農業リモートセンシング衛星の打ち上げを旗印に立ち上げた時からスタートした。このプロジェクトの目的は民主導の新しい宇宙産業の創出を目的とする事業であり、『宇宙産業創造プロジェクト』と命名されている。宇宙産業創造プロジェクトは21世紀以降の宇宙時代を迎えるための準備として位置づけられている。小型衛星の開発だけではなく、それと同時進行で衛星プロジェクトに必要となる資金確保のためにスピンオフ事業を立ち上げている点が、国内の他の小型衛星プロジェクトとは大きく異なっている。2006年9月23日に打ち上げられた北海道初の超小型衛星『HIT-SAT』の成功は本プロジェクト実現に向けての大きな弾みとなった。

図1.1 超小型衛星「HIT-SAT」 図1.2 M-Vロケットによる打ち上げ
図1.3 「HIT-SAT」成功の新聞報道
北海道衛星1号機にはハイパースペクトルカメラという特殊な分光カメラが搭載される。2003年から北海道工業大学と道内企業との共同研究により開発に着手し、2004年5月に製品化に成功した。ハイパースペクトルカメラはリモートセンシング以外の分野、例えば農業、食品、自動車業界(ITS)、化粧品、医療、バイオなど幅広い分野での応用が可能であり、ハイパースペクトル技術を軸として分野横断的に新しい学問体系を構築できる可能性がある。
このような観点からスペクトル技術が応用可能な研究事例を集め、ハイパースペクトル技術の全体像を俯瞰することにする